アーティゾン美術館 Abstraction 抽象絵画の覚醒と展開 へ行ってきました
6月3日からアーティゾン美術館で開催されている「Abstraction 抽象絵画の覚醒と展開」へ行ってきました。国立新美術館ではルーブル美術館展が明日まで行われていて、懐古の目的でルーブル美術館展へ行こうかとも思いましたが、テーマが「愛を描く」で、神話などを題材としたものが主体で、すごく見たいと言うほどでなかったので、たまには抽象画もよいかと思ってアーティゾン美術館へ行ってみました。
それまでの歴史や神話に題材を求めた古典派、その後の普通の人の日々の暮らしや風景に題材を求めた写実主義からみると、印象派の様に変わりゆく光の中での印象のイメージを絵画にした試みは当時としてはやはり前衛的であったのかと思います。この企画展では印象派絵画を抽象芸術の源泉と位置づけてモネの「黄昏 ベネツィア」が飾られていました。
モネにはロンドンの国会議事堂の連作があり、これとよく似たものがあります。そのうちの一枚は箱根のポーラ美術館にあります。
抽象画というとまず思い浮かべるのはパブロ・ピカソを中心とするキュビズムですね、曲面で構成されたものを多面体として捉え、展開図の様に表現していきます。そのほかにカンディンスキーやマルク・シャガールも抽象絵画でぱっと思い浮かびます。私はシャガールも好きな画家の1人ですが、今回の企画展には残念ながらシャガールはありませんでした。この前の記事でふれたル・コルビュジエの作品もありました。たしかに建築の展開図がキュビズムに通じることに気づかされました。残寝ながらコルビジェの絵はアーティゾン美術館の収蔵品ではなく、地図に残る仕事のあのゼネコン所有ということで撮影禁止でした。なるほど建築家の作品はゼネコン所有か・・・と納得です。
ジョアン・ミロの作品もありました。
ミロっぽくてユーモラス、生き物もかわいいですね。タイトルは夜の女と鳥ですが、ミロが女性を描くときにはシンボルを入れるのが通常なのに、この絵ではよくわかりませでしたが、いい感じですよね。
日本国内の美術館も作品の写真撮影OK のところが増えてきたのは感謝です。
アーティゾン美術館も箱根のポーラ美術館と同じく業界最大手の日建設計が手がけた建物です。吹き抜けのエントランスが都心の景観にあっています。コレクションの豊富さとも相まって訪れるのが楽しみな美術館のひとつです。
天気はいまいちでしたが、よい休日になりました。