絵があるクリニックっていいよね~ヨーロッパに思いをはせて

この前ロメロ・ブリットの話をしました。絵が癒やしになることを信じています。患者様が自ら絵画製作や表現を行ってコミュニケーションの主要な方法として、芸術を媒体に使用する精神療法の一形態が「アートセラピー」です。一方で「ヒーリングアート」は明るく希望を感じさせる絵を飾ることで患者様の気分を前向きにしてくれる効果があり、絵を観ることで癒され、自然治癒力が高まり、アートに触れることで「癒し」を得ることができると言えます。私自身も絵画を見るのがとても好きです。
コロナ前の時期には毎年「欧州呼吸器学会(ERS)」に参加していました。ERSは毎年9月にあるので夏休みも兼ね妻と一緒の旅行です。そこでの楽しみは美術館巡りです。イタリアであったときにはミラノの「ブレラ絵画館」やベネツィアの「アカデミア美術館」で宗教画三昧、パリであったときには「ルーブル」「オルセー」「オランジェリー」「マルモッタン」の各美術館をはしごして印象派の絵画を一生分観ました。

パリ オルセー美術館 モネの連作「ルーアン大聖堂」の前で

またマドリードであったときには「プラド美術館」、「ティッセンボルミネッサ美術館」や「ソフィア王妃芸術センター」、バルセロナに移動し「ジョアン・ミロ美術館」も訪れました。

バルセロナ ジョアン・ミロ美術館にて

ヨーロッパの美術館巡りは本当に至福の時間でした。ソフィア王妃芸術センターでは世界で最も有名な絵画と言ってよいパブロ・ピカソの「ゲルニカ」を観ました。ヒーリングアートとは真逆の衝撃的な作品でした。残念ながらコロナ後にはまだヨーロッパへは行けていません。
バルセロナアントニオ・ガウディの建築が有名ですよね。「サグラダファミリア」「カサ・ミラ」「カサ・バトリョ」「グエル公園」など盛りだくさんです。一方、日本ではあまり知られていませんがガウディの師匠のドメネク・ムンタネーも落とせません。ムンタネーの作品では「カタルーニャ音楽堂」や「サンパウ病院」がユネスコ世界遺産に登録されている建築家です。またムンタネーの設計した「カーサ・フスター」は現在ホテルになっていて、バルセロナではここに泊まりました。

ムンタネー設計のカーサ・フスター

バルセロナは町そのものが芸術といって過言でない感じで、サグラダファミリアが完成したらまた見に行ってみたいと思います。
ところで自分は印象派その中でもクロード・モネが一番の押しですが、本物は美術館で観るしかありません。「ジヴェルニーの積みわら」などは暖かさと柔らかさを感じさせる作品ですが(連作ですので冬を描いたものもあります)、多くの作品は魅入られてしまうので必ずしもヒーリングには向いていないかも知れません。
日本の作家さんでは土田穣さんのかわいい動物の絵が癒やされます。とくにウサギさんの絵がいいですよね。


ジョアン・ミロバルセロナ生まれの抽象画の作家ですが独特のユーモラスな作風で思わず笑みがこぼれる作品です。描かれている生命体が面白いですよね。

ジョアン・ミロ作のリトグラフですがおなじみの正体不明の生物が描かれています

ヒーリングアート向きかなと感じます。可能ならミロを飾ってみたいですね。もちろんオリジナルなんて手が出ませんので、あくまでも複製画ですが。
(2023年4月18日に記載)